線形代数(マセマ) P.175 固有値の計算における背理法の補足

 P.175(I)固有値の計算において、|AE | = 0 となる理由を吹き出しの補足(背理法)で説明している。その冒頭に以下のような文言がある。

|AE | ≠ 0 と仮定すると、( AE )-1が存在するので、

何故、|AE | ≠ 0 と仮定すると、( AE )-1が存在すると言えるのだろうか。 Continue reading “線形代数(マセマ) P.175 固有値の計算における背理法の補足”

線形代数(マセマ) P.164 同型写像とならない線形変換の例は、同型写像の基本定理に矛盾しないか?

 P.164には、写像fが線形変換 f : V = R2V = R2であっても、同型写像にはならない例を示している。しかし、これは以下のP.163同型写像の基本定理に矛盾しないのだろうか。
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線形代数(マセマ) P.156 表現行列の一意性

P.156 線形写像と表現行列で以下の記述がある。

$$
線形写像 \mathbf{f} : \mathbf{R^{n}} \rightarrow \mathbf{R^{m}} に対して、\\
(m,n)型の行列\mathbf{A}がただ1つ定まり、\\
\mathbf{x^{‘}} = \mathbf{f}(\mathbf{x}) =\mathbf{Ax} と表せる。( \mathbf{x} \in \mathbf{R^{n}}, \ \mathbf{x^{‘}} \in \mathbf{R^{m}} ) \\
この行列\mathbf{A}を、線形写像\mathbf{f}の”表現行列”という。
$$

表現行列Aはただ1つに定まる(=一意性がある)と記されているが、その根拠は何であろうか。それは、(i)任意の元xの表現の一意性 と、(ii)f(e)の一意性 である。
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線形代数(マセマ) P.155 (n,1)型のeと(m,1)型のf(e)

P.155線形写像には、表現行列が存在する!では、n次元ベクトル空間からm次元ベクトル空間への線形写像 f 、すなわち、

$$
\mathbf{f} : \mathbf{ R^{n} \rightarrow R^{m} }
$$

について議論を展開している。まず、Rnの標準基底として(n,1)型のeを導入し、Rnの任意の元 xeの線形結合で表す。すなわち、以下のように表現している。
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線形代数(マセマ) P.148 基底を見つけるために線形関係式を考える理由

P.148 演習問題 183つのベクトルで生成される部分空間W(I)は、次の3つのベクトル

$$\mathbf{a_{1}}, \mathbf{a_{2}}, \mathbf{a_{3}} $$

で生成される部分空間Wの1組の基底と、Wの次元dim Wを求める問題である(実際の問題文にはベクトルの成分の数値が記されているが、ここでは省略した)。解答では、Wの元xを以下のように置き、
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線形代数(マセマ) P.126 線形空間の定義(I)の(iii)と(iv)の冗長性について

P.126線形空間の定義の(I)において、以下のような記述がある。

(iii) a + 0 = 0 + a = 0 をみたすただ1つの元 0 が存在する。
(iv) a + x = x + a = 0 をみたすただ1つの元 x が存在する。

これは冗長であり、以下のように修正すべきであるように思われる。 Continue reading “線形代数(マセマ) P.126 線形空間の定義(I)の(iii)と(iv)の冗長性について”

線形代数(マセマ) P.127 実数と元の積

P.127に以下の3つの式がある。

$$ 0\mathbf{a} = \mathbf{0} \tag{*1} $$
$$ k\mathbf{0} = \mathbf{0} \tag{*2} $$
$$ (-1)\mathbf{a} = -\mathbf{a} \tag{*3} $$

※通常の細字は実数を、太字は元(element)を表すことに注意。

あまりにも当たり前に見えるこれらの式は、何を意味しているのだろうか。 Continue reading “線形代数(マセマ) P.127 実数と元の積”

線形代数(マセマ) P.114 (ii) 正方行列におけるランク(階数)と正則の関係

P.114に以下のような記述がある。

$$
一般に、n次の正方行列\mathbf{ A }については、\\ 次のことが言える。\\
(i)\ \mathbf{ Rank } \mathbf{ A } = \mathbf{ n } \Leftrightarrow \mathbf{ A }は正則である ( |\mathbf{ A }| \neq 0 ) \\ \Leftrightarrow \mathbf{ A } ^ {-1} あり \\
(ii)\ \mathbf{ Rank } \mathbf{ A } < \mathbf{ n } \Leftrightarrow \mathbf{ A }は正則でない ( |\mathbf{ A }| = 0 ) \\ \Leftrightarrow \mathbf{ A } ^ {-1} なし
$$

(ii)が成り立つ理由を注釈していこう。 Continue reading “線形代数(マセマ) P.114 (ii) 正方行列におけるランク(階数)と正則の関係”