線形代数(マセマ) P.187 ノルム||a||の性質(i)の根拠

P.187ノルム||a||の性質(i)に関して、吹き出しの補足説明で以下のように説明されている。

$$
(i)は定義から明らかだね。\\
\| \mathbf{a} \| = \sqrt{ \mathbf{a} \cdot \mathbf{a} } \geq \mathbf{0} \tag{*1}
$$

この根拠は何であろうか。それはP.186計量線形空間の定義の(iv)である。

$$
(iv) \quad \mathbf{a} \cdot \mathbf{a} \geq \mathbf{0}
$$

確かにこの定義(iv)を平方根(ルート)の中に当てはめると、性質(i)は成り立つ。

なお、「平方根は0以上だから(*1)式は成り立つ」と安易に考えていけいない。平方根の中の内積a・aの具体的な定義は、この時点では与えていないからである。内積の定義が具体的に与えられなくとも、ノルム||a||の性質(i)-(iv)が成立することに注意されたい。これが意味することは、P.186計量線形空間の定義(i)-(iv)を満たす任意の演算は全て「内積」として導入可能である、ということである(ここに詳しい解説がある)。